メモリー株が7月末に急落した主因は、韓国の規制政策にある

7月下旬、メモリー株は連日大きく下げた。金融監督院長が公に発言してから規制が出そろうまで、韓国はひと月もかけていない。個別株レバレッジETFの新規上場は暫定的に停止され、基本委託金は1,000万ウォンから3,000万ウォンへ引き上げられた。サムスン電子とSKハイニックスの予想純利益は、なお3倍から5倍に伸びている。下げているのはレバレッジであって、需要ではない。(本稿の相場と数値は2026年7月28日時点。為替換算も同日基準。)
メモリー株の値動きは、いまや世界の株式市場を左右する最大の変数になっている。7月27日の米国市場ではマイクロン、SKハイニックス、サンディスクが4.9%から9.5%の下落となり、28日には韓国、日本、台湾のメモリー関連株もそろって大きく下げた。東京市場ではキオクシアホールディングス(285A)がストップ安となり、18.3%安の44,550円で引けている。メモリーと広帯域メモリー(HBM)の株価がこの先どう動くかは、投資判断を大きく左右する。
まずメモリー業界の現状から述べる。先ごろ、シンガポールのUOBアセットマネジメントが「韓国の新たな成長力、アジア投資の新たな主戦場」と題する催しを開き、そこで「AIの波のもとで韓国テクノロジーの新しい価値をどう読むか」という演題で話す機会をいただいた。HBMの今後に加え、メモリー株にどう向き合うべきかについても述べたので、その内容を共有したい。

UOBアセットマネジメントの世界利益上位10社の予想では、TSMCの2026年純利益は800億ドル(約13兆円)に達する。メモリー大手3社はいずれもこれを上回り、マイクロンが820億ドル、SKハイニックスが1,120億ドル、サムスン電子が1,560億ドルで、2025年比では4倍から5倍になる。世界で最も利益の大きい企業はエヌビディアの1,920億ドルと予想されている。
この資料は算出の基準を自ら明示している。2025年と2026年第1四半期の利益はブルームバーグ、データ日付は2026年6月30日。2026年通期はファクトセットの予想値で、データ日付は2026年4月30日である。同じ資料の2025年実績を見ると、サムスン電子は310億ドル、SKハイニックスは300億ドル、TSMCは550億ドルだった。マイクロンの公表済み純利益は2026年の第1・第2四半期を含むとも注記されている。各社の会計年度は一致しておらず、これらの数字は同じ期間を指しているわけではない。

この予想は、一般の証券アナリストの見方ともほぼ重なる。AIサーバー向けの投資が続くなかでメモリーは深刻な品薄にあり、利益は確かに大きく伸びる。2026年のメモリー各社の純利益が大幅に増えるという見方は、多くの機関に共通している。
メモリー大手の利益が伸びたことが、2025年以来、米韓台のメモリー株が急騰した主因である。ただ上昇があまりに急で、信用取引の残高は膨らんだ。加えて韓国市場にはサムスン電子とSKハイニックスの2銘柄だけを対象とする2倍レバレッジETFがある。こうした短期志向のデリバティブが火に油を注ぎ、株価は激しく上げ、同じ勢いで下げた。
韓国の二大メモリー株の株価は、もはや業績では読み解けない。鍵を握るのは韓国政府の規制姿勢である。では韓国政府は何をして、利益が倍増している2銘柄をここまで下げさせたのか。



